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私はひとりきりで、胸が痛いほど幸せだったから、世界に恋していた。私はからっぽだった。世界は浅瀬だった。現実は、シリアスなのかな。コミカルなのかな。とらじかるなのかな。笑っちゃえるのかな。それとも泣けるのかな。
そんなものは、どちらでもないに決まっているけれど、現実がシリアスかどうかだなんて、倒錯だけれど、だけど私はそれがもしわかったら、どちらかだったら、いいのにと思う。私はすぐにシリアスさから逃げ出すし、真剣すぎる話なんかいっこも真面目に聞きたくないから、もしも、もしも現実が深刻なものなのだとして、現実が切羽つまったものだとして、殺し合いや、生かし合いや、愛し合いなのだとしたら、私はずっとただの、逃亡者だなって思うよ。
すぐにすべて失くしたい。
あんたは、逃げているだけの卑怯者で、臆病者にも劣る臆病者で、自己愛でできた怪物で、あんたが軽蔑したすべての人間を、あんたは軽蔑する権利を持たなかったと、言われたことがあった。とても、ひどいことを言うんだなって思った。私が卑怯者で臆病者で、そして醜くて、それのなにが悪いのと思った。そして誰かがもしも、悪くはないよって言ってくれたとして、そのあとに繋ぐ言葉を見つけられないから、どうしても私に意味はなかった。意味で生きているわけではない私はそれでもやっぱり悲しいと思う。悲しさをぐじゅぐじゅ口の中でやわらかくなってもまだ噛み続けて、口淋しくないのを喜んでいる。
ゾンビみたいだな。ぼくひとり不死身だ、ぜ。ぼくひとりのゲームだぜ。たのしくて、怖いよ。
怖いよう。
そして外はあかるい。なにしているんだろうって泣いたって、やっぱり生活はたのしい。頭が動かない。もしも、生活がとても、真剣なものなのだったとしたら、私は裏切り者でもいいなって。
朝になるといつも肺の底に小さな海があって、とぷとぷ揺れるから、悲しいのじゃないかと勘違いしながらいた。そこに喪失感の餌を投げ続けて、不気味さを延命しながらいた。
シリアスのない夏に生まれた。私はだれの存在さえ認めないのだな。私は私の世界の王様で、神様で、そうしてしあわせで、私はそれでいいに決まっているけれど、だけどときどき恥ずかしくて、消えてしまいたいな。
一日中なにもしないでベッドに寝転がってそんなことばかり考えていて、洗濯物がひゅうひゅう揺れているのをじっと見ていて、だけど笑い出しちゃうよね。どうにかなるときは、どうにかなるだろうとか、思うよね。どうにもならなければ、それだけだな、とか思ってね、洗濯物を取り込み始めるんだよ。不幸なふりも夜になったら続かなくて、ひとつでも多くの最低な言葉を探している。
どんな夜であっても、面白いこともないくせに笑えるなら、私はひどい人間だなって、やっぱり、思うよ。私はどこにもいたくないな。ひとつの現象になりたかったな。だれも私を一秒前と地続きと考えないような。私がいて、私以外のものが目の前にひとつひとつ面倒くさそうに置いてあるだけのこの場所で、私は幸せでいること以外をこんなにも知らない。しあわせにうちひしがれて、終わってしまうばかりだな。どうしてそんなふうに、明日や明後日を信じるのだろう。私にはなにもみえない。
爆破されて、車でぺしゃんこにされても、その1ページあとに生き返っている漫画を奇跡と思わないから、私はひとが傷つく瞬間をわからないし、ひとがなにに喜ぶのかもわからないし、ひとがどうして死んだのかわからないし、ひとがどうやって生きているのかもわからない。真似して泣いてる、ぼくはゾンビみたいだな。
この地平がどこかやだれかに繋がっているという物理的な現実だけしか私を正気にしてくれないなら、私はほんとうに一度死んでみたらいいと思った。そして1ページあとに生えてこなかった首を見ながら、笑えばいいと思った。
私が一番、頭すかすかだから、いやになるな。みんなの頭にはぎゅうぎゅうと、きちんと、詰まっているのかな。私のあたまがすかすかだから、ちょっぴり、怖くなるな。怖いよ。震えがとまんないよ。
なんて、なんて、なんてね。
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