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日記
潰れた胸で息したひとに
2010-08-10-Tue トラックバック : 0  コメント : 0
 人を前にすると笑いすぎてしまうし、間違いをもっと間違えて消してしまおうとする試みばっかりだ。私はただ、元気でいて欲しかったし、元気でいて欲しいし、だけど何度も、だめだね。みんなただたったひとつ不幸で、みんな隣人には笑ってばっかりだね。隣人を愛せなんて言うから、こんなことになってるのじゃないかって、橋の上を歩きながら呆然としたよ。そこに置いてあるなにかをどけて、空白をつくってほしい。どんなに大事なものかなんて知らないけれど、それが、かかとにこつこつ当たってるんだよ、ずっと。それでなにもできないから、どけてほしい。なにをしてもいいような、ドアの裏でこっそり憎しみあえるような、些細でいいからまったくの、空白をつくってくれよ。いつもなにもできない。それが、その愛みたいな段ボール箱が、だれかにとってそんなにも大切なものだっていうなら、私は、さわれもしない、から。
 橋の下は大きな川で、夜にそれは真っ黒で、向こうの線路を電車がまっすぐ走っていく。車窓の光が連なって、それが川の表面にも映って、私はその光景を見るたび、世界で一番きれいだと思う。世界で一番たいせつだと思う。いま眠りにつくきみや、いま悲しんでいるひとの背後を、あの電車がまっすぐに横切っていくのだって、そんなこと思えるくらい、光なんだよ。だからなんであらゆる夜が軋んだまま壊れないでいるのかわからない。あの電車がひいた光る線を中心にどうして夜がひび割れないでいるのかわからない。これ以上のなにが起こるというの。壊れてしまえばいいのに。壊れてしまった夜の、黒色の瓦礫の中でも、眠れないわけじゃないのに。きっと、健常な真夜中の、せいなんだよ。たわんだ夏のせいなんだよ。
 だれもいない橋の上には空白ばっかりある。道路にも歩道にも、こんなところにこんなにも目に見えて空気が集まっている。私は肺を広げて、なるべくたくさんの息を吸って、私はひとつの空白になりたくて、きみに吹き込んであげたい。隙間もなく生死を並べるひとに。私の胸の上を戦車が通り過ぎてぜんぶ轢いてしまえばいい。そしてときには実直にだれかの話を聞きたい。
 壊れないように支えている段ボールをこっそりと折りたたんで、それだから降ってくる夜空に、がつがつ頭をぶつけて、昏倒しながら、なんだか平和願ったり、そういう暇なときにだけするみたいなことを、ここぞとばかりにしようよ。テレビの話でもいいよ。嘘でもいいから、血が出てもいいから、俗悪でもいいから、悪趣味なことに笑ってもいいから。アクリルみたいに割れない世界だけど、そんなに辛いなら、私はこつこつ金槌振るうから。どうせ一番間違ってるけど、それなら言う言葉があるはずだけど、金槌取り出す私は、不真面目だけど、ぜんぶぜんぶ許して、ぜんぶぜんぶ目をつむって、一度だけでも、救われてほしいよ。
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