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 友達の部屋で格闘ゲームを延々して、延々負けて、テレビ画面の中で女の子がひどく蹴られているから、まったくもう、あなたがこっちのキャラにしなよとか、なんとか、夜明けの少し前に倒れた。友達はソファから上半身を半分落としてコントローラーをくわえるみたいにして彫刻みたいに眠っていた。カーテン越しの外の光に、友達の手の甲のでこぼこが照らされて、私はフローリングに髪の毛を擦り付けていた。湿気の匂いがした。あの青色のカーテンは、去年の誕生日に私が彼女にあげたもので、だってカーテンがないっていうから、私の部屋のカーテンをあげたのだけど、だって私は自分の部屋の電気をつけたりしないから、カーテンなんていらないと思ったし、それで、でもあなただって明かりつけないじゃんね。青いカーテンがひかっていた。いいなあカーテンとか思って、惜しいなあとか思って、フローリングに唇つけて、床だって思った。冷たくて苦かった。
 私たちは救われる余地のないほどぎゅうぎゅうにしあわせだから、どうにかそれを消化しようとして、頭気持ち悪くなるまで格ゲーしたり、それでいよいよしあわせになっちゃって泣けちゃったりするねとか考えて、間違いだよと思って、満腹だよと言って、お腹がぐうぐう鳴った。等間隔に人間が倒れているので地平で息が苦しかった。ひどいことをしたかった。捕まえた兎にするような、ひどいことをしたかったなあ。逆さに吊るして首を切って、血をぎゅうぎゅう抜いてあげたかった。切なくなるくらいぎゅうぎゅうしめてあげたかった。でも私、足も遅いし、視力も弱いし、そんなことはできなくて、そんなことを勘違いした。かんたんなことは特にないよ。むずかしいことはわからないよ。
 友達のくるぶしが私の頭上斜め上に電線みたいにのびていて、死んでるって思った。私の腕も変な方に曲がってポトリと落ちていたから、死んでるって思った。静かだった。ごみだった。胸をひらいて、息の音を聞いた。帰ってきて欲しかった。冷たくて甘かった。友達が寝ながらため息をついて、私のこころがばらばらと震えた。

***

 なんだかパソコンがぎちぎちいっている。なんだろう。虫が入り込んだんじゃないのかな。クワガタが戦争しているみたいな音がしている。なんだろう。かわいそうに。夏だからな。キーボードのあいだからクワガタがくわって出てきそうで怖いな。そわそわしちゃうな。今日、知らない人にお米をもらった。無洗米ですからって言われたけど、信じていいのかな。私洗わないよ。私洗わないよ!
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