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日記
遊泳され旋回され残された街
2010-05-30-Sun トラックバック : 0  コメント : 0
 熱帯魚とか、観賞用の魚をたくさん売っているお店に入って、水槽のあいだの道を行ったり来たりしていたら午後が終わった。水槽は青く光っていたので水槽の中以外のところはぜんぶとても暗く見えて、それが好きだった。魚の名前ってなんであんなに難しいんだろう。覚えらんない。プロトプテルス、エチオピクス。帰り道に知らない建物の外付けの非常階段を7階分のぼってコロッケを食べた。ここは綺麗な街なんだなあと思った。曇り空をあの白くて長い魚がうろうろと泳いで、あのビルやこのビルをちょっとつついてどこかに行っちゃうだろう。どこか青く光る水槽のところに。電車が離れたところをまっすぐ走っていって、ここは綺麗なところなんだなあと思った。コロッケの衣がさくさくと喉に刺さった。私は駅の方向がわかんなくなっちゃったのに、電車は平然と走っていて、もうぜんぶ勝手にしてくれって笑った。勝手にしてくれーって叫ぶ代わりにコロッケの入っていた紙袋をくしゃくしゃにした。どうかあのこを助けてくれーって、どうか、あのこやこのこや、あいつを、救ってくれーって手すりにあごを乗っけていた。痛くないようにいちばん細い注射針で治してあげてほしい。それでその10秒あとに、爆弾でもなんでも落とせばいいだろう。30秒目をつむったあとに、無傷の街の高いところで、救われなかった見知らぬだれかを考えた。鮭みたいな色の傘がぶんぶん振り回されているのが見えたから、雨が降っていると知った。街は無傷だった。今日も。すべての道は切り傷に見えたけれど、でもその上を鮭色の傘が走っていった。

***

 私の壊れかけの携帯電話がいよいよその機能の大半を失って、弱い懐中電灯みたいになっている。もう蛍を握って歩いているのとかわらない。だけど、通話もメールもろくにできないけれど、電車の乗り換えはなんとか調べられるから、私が電車の乗り換えに困らないように、最後にその機能だけは残してくれたんだねって思うと、この蛍がとってもいとしく思えてくる。明日新しいのを買いに行く。

***
 
 ベッドの下からドリアン・グレイの肖像が出てきたので読んでいた。登場人物のひとたちが、嘆いてても自殺してても殺してても殺されてても楽しそうだからすごい。それは楽しくてやってるんでしょって思う。ミュージカルみたいって思う。ミュージカルなんてろくに見たことないからわからないのだけど、私は単純だから、ひとが歌って踊ってたら、楽しそうだね!って思っちゃうし、頭抱えていても、楽しそうだね!って思っちゃうだろう。映画なら違うのだと思うのだけど。そういうのって読んでいてぜんぜん飽きない。もうずっと読んでいられるし、たのしくて笑っちゃう。だけど、つまらないものがきちんとつまらないだけでも私はもしかして感動しちゃうんじゃないかと思う。

***

 レイトショーを観ようと思って、映画館で食卓から取ってきたバターロールをむしゃむしゃ食べていたら、「ださいパン食べてるなよ!」って言っておともだちがベーグルを食べながら話しかけてきて、奇遇だなあと思った。ベーグルかっこいいなあと思った。アイポッドが雨に打たれて半死半生だから、兄の部屋の押入れから見つけてきたCDプレーヤーを持ち歩いていたのだけど、それも散々馬鹿にされた。「今時!」って言われた。「バナナ食べれるか!」って訊かれて、食べれるよって言ったらバナナの入ったベーグルをくれた。ベーグルかっこいいねって言ったら、ださいなんて言ってごめんねって、おともだちがバターロールに謝っていた。変なひとだなあと思った。
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