スポンサー広告
スポンサーサイト
-----------
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
page top
 おとつい先輩から年賀状が届いた。今年は去年よりも早い、と思った。AM6:00、ポストの前で書いています、と書いてあった。手にとるだけで寒くなるようなハガキだと思った。年賀状をだしてなくてごめんなさい、先輩。
 成人の日に、私はぜったい今日は平日だろうと思って意気揚々と学校に行ったら学校はおやすみだった。遅刻だなあと思ってそっとドアを開けたら誰もいなかったときの衝撃はすごかった。よく学校の門が開いていたなと思った。成人の日って成人以外も休みなのか…と思って教室の窓から外を見て2時間過ごした。冬だから空気が澄んでいてずっとむこうに富士山が見えた。すぐ下の自転車置き場には枯れ葉が詰まっていた。遠くの方でだれかが部活動に勤しんでいる声が聞こえて、私も一緒に、小さく、ふぁいとーもういっちょーふぁいとーと言って遊んだ。中央管制でエアコンのつかない教室は寒くってたまらなかったのでおうちに帰ることにした。
学校前の自販機でコーンポタージュを買って飲みながら歩いた。寒くて首をすくめていた。風が強くて、駅前を歩く人もみんな風の強さに眉をしかめていた。これすごい風ですよね、とコンビニの看板に小さく話しかけた。すくんじゃいますよね。飲み終わったコーンポタージュの冷たい缶を駅のゴミ箱に捨てて、今日の昼食をどうしようか考えながら電車に乗りこんだ。成人の日は成人以外も休んでいいなんて、思う以上にみんなやさしいじゃないかと思って腹立たしかった。お昼は蕎麦を食べることにした。電車の中で眠りながら、カレンダーを買おうかと考える夢をみた。祝日は急襲する。冬だから小沢健二を聴いていた。祝日でも冬は冬の気温だから、きづかないよ。

***

 「野良犬にはぜんぶのかなしみが詰まってる」と言われたから町中野良犬を探したけれどいなかった。かなしみのぜんぶは町から姿を消した。それでもだれも気付いていない。
野良犬は、いなかったら誰も気付かない犬で、そこにいるということだけが野良犬のすべてで、野良犬に詰まっているのはぜんぶのかなしみじゃなくて、野良犬を探さなかった昨日と、野良犬を探した今日と、探さなくても野良犬がいる明後日だと思う。野良犬さんが呟くように吠えたときに、どこかの女の子が、あらあの野良犬はお腹が空いたのかしらって、くすくす笑うかもしれない。かなしくないよ。町に野良犬がいなくなったので、私ほえる。

***

 あしたはせんたあ試験です。書いたり消したりしてくるのです。早急に、えんぴつを用意しなくちゃあいけない。行く途中のコンビニで買えるかしら。えんぴつってコンビニで売ってるのかしら。コンビニに、なかったら、私、かなしみの黒い涙で、マークシートを、塗る。それでマークシートを読み取る機械にはじかれて、私の答案は入試センターのおじさまにびりびりと破かれて、大地に播かれて、あすの土壌になるのです。黒い涙で育ったにんじんを食べた馬がいつかどこかで人間を轢いてしまう、あぶない。ねむたい。えんぴつ売ってるといいのだけどなあ。会場で売ってないかなあ。私の涙が黒いところなんて見たことないなあ。コンタクトレンズが見つからないよう。世界中のコンタクトレンズの動向を管理している偉い人は、私のことをもっとずっと好きになってください。
page top
Copyright © 2017 八帖帳の犬. all rights reserved.

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。