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 くじ運がいいのか、教室での席がもう長いあいだ窓際の後ろの方なので、うれしい。薄い日光にあたためられて授業はとても気持ちいい。ねむたい。
 「眩しい閉めて」と右隣りの男の子が言うから、薄緑のカーテンをひいたら、へたくそで、上の方がぶちぶちいってカーテンがレールから外れてしまって、どうしようと思った。ごめんねと言ったら男の子は日光を受けて眩しそうにして「カーテンがひけないってなんだよ…」と言っていた。もうしわけない。つぎの休み時間に、どこからともなくやってきた背の高い人がカーテンをなおしてくれた。授業中、先生が「恋に破れたんだね」と言って2・26事件のおはなしをしているあいだ、薄緑のカーテンを見ていた。太陽が薄緑色にゆらゆら光っていた。眩しくもあたたかくもないけどもゆらゆらしているカーテンの端っこがちょっと光っているのがとても、魚のようだよと思った。魚のようだよなんて思わなかったけど。だから、つまりきれいだなあと思った。
 窓をおおきく開けたら気持ちいい風がはいってきたのだけれど案外強かったのでプリントがぴょんぴょん飛んでいって横の男の子のプリントも飛んでいって「おい閉めろ」と言われて私は閉めて、「余計なことするな」と男の子が言って私はごめんねと言うつもりで「このやろー」と言って男の子も「このやろー」と言った。

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 浪人生の先輩から電話があって「六本木きて」と言うので昼休みに学校をでて六本木の駅をめざした。先輩がいたので後ろから先輩に声をかけたら先輩じゃなかった。ひとちがいだった。ホームの端っこでそれを見ていた先輩が笑っていた。私は恥ずかしくって「ろっぽんぎでなにするんですか!」って早口で聞いたら「なにもしないよ!」と言われたのでびっくりした。びっくりして笑った。電車がホームにやってきてさっき先輩と間違えてしまった女の人が電車に乗って流されていった。
 六本木に来たかっただけなんだけど、行く理由もないから、きみと会うことにしたんだよ!と言われた。いみがぜんぜんわからなかった。でも六本木に行くためにいっしょうけんめい理由を考えているときに先輩がたまたま私に電話をしたというのは、カーテンの端っこが緑色に光っていたことくらいにはうれしいと思った。
 「じゃハプスブルク展でも観にいきましょうか」と言ったら先輩は「い、や!」と言った。クロワッサン屋さんでクロワッサンを買って食べた。先輩が将来住みたい街は、ローマか、阿佐ヶ谷。めも。
 (ところで昨日、テレビでローマの休日が放送されていて、私はじめて観たのだけど、ヘップバーンさんがかわいすぎて悲鳴がでた。)

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 勉強は楽しいし毎日はまったく苦しくも悲しくもない気がするので「受験ってこんなもんかな」とクラスメイトに笑いかけたら「勉強量がぜったい足りないと思うよ!」って笑われた。適度な勉強はそりゃ楽しいよ!だって!昼食に食パンを食べていることも笑われた。お弁当をつくる時間がなかったのでテーブルに置いてあった食パンを袋ごと掴んで学校に来た日だった。食パンはなにもつけないのがいちばんおいしいのにみんな可哀想にって顔をする。みんな食パンに味がないと思ってる。食パンを抱きしめてあげたい。おいしい。
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