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 スーパーでいっしょうけんめいレタスを選んでいたらカートを押して走り回る小さい子に轢かれた。カートを押して走り回る小さい子は実在したんだなあ。空想の産物と思っていたなあ。お母さんが走り回る小さい子を追いかけていた。子供は風の子ならお母さんは風なのだなあと小さい頃思っていた。レタスを選んで買って帰った。サラダだサラダだ。いっしょうけんめいレタスを選んでいる人間が遊んでいる子供に轢かれたとして、だけど家に帰ってレタスを食べることができるんだよ。たのしいし、何度もできるね。なんどでもできるね。

***

 お父さんの置いて行った本を読みお父さんの置いて行った音楽を聴いてお父さんの部屋で眠りながらお父さんの言った言葉を思い出していた。私は石油ごっこをする。ドストエフスキィだけはぜんぶ私にくれて、ぜんぶ私の部屋にあるけど、他はぜんぶこの部屋にあるのなあ。煙草まである。わたし副流煙の匂いがだいすき。きゃびんまいるど。兄さんは煙草が大嫌いだから私のお家はもうとてもきれいだ。もうとてもきれい。
 友達が花火を持ってやって来て花火をやろうというので花火をやる場所を探したけれど、今はもうどこでやっても迷惑がかかる気がしてならなくて、友達のおうちの庭先で線香花火だけした。私は蚊取り線香を見ていた。「迷惑でもいいんじゃない」と私が言ったら、友達は「だれにも迷惑をかけられたくなかったらだれにも迷惑かけちゃだめなんだよ」と言った。でも迷惑をかけてもかけなくても何かに迷惑することはあるよ。でもそんな意味じゃないね。静かな道路で裸足でグリコをした。チヨコレイト。昼間の熱が残っているかと思ったけど、道路はつめたかった。私たち誰かに見られたら誰かのホラーだよ、と笑った。7歳だったらホラーだけど18歳なら笑ってくれるよ、と笑った。笑ってくれなかったらどうしようね。だれかのホラーになっちゃって、だれかが眠れなくなってしまったら、ひどく迷惑だろうね。小さい石粒を踏んでしまって何度も痛かった。ごめんね、踏んでしまってごめんね、踏んでしまってごめんね。石に謝れるならもう生きていけないね、と思った。そんなわけはないね、と思った。友達の家に戻ったら靴がちゃんとあった。うちの猫に似ていると思った。迷惑をかけられたい人間はだれかに迷惑をかけるのかなあ。そんなことじゃないよな、と思った。
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